日本銀行が2026年7月29日に公表した「貸出約定平均金利の推移(2026年6月)」によると、国内銀行の新規貸出(総合)は1.767%となり、1月時点の1.383%から半年で上昇が続いている。新規借入や借換の交渉に臨む際の相場観として、業態別・期間別の数値を整理する。
2026年6月の水準(新規・ストック)
2026年6月における新規貸出の約定平均金利(総合、当座貸越を除く)は、国内銀行全体で1.767%だった。内訳では都市銀行1.929%、地方銀行1.692%、第二地方銀行1.740%、信用金庫2.180%となっている。
一方、月末時点の残高ベースであるストック(総合)は、国内銀行全体で1.452%。都市銀行1.500%、地方銀行1.373%、第二地方銀行1.448%、信用金庫1.814%だった。新規の金利水準がストック(既存契約の平均)を上回っているのは、新規の実行分に足元の金利上昇がより反映されているためと読める。
1月からの半年間の推移
国内銀行の新規貸出(総合)は、2026年1月1.383%→2月1.471%→3月1.813%→4月1.686%→5月1.710%→6月1.767%と、月ごとの振れを伴いながら上昇基調にある。長期貸出(新規)も1月1.564%から6月1.944%へと上がっており、期間が長い貸出ほど上昇幅が大きい傾向がうかがえる。
ストック(総合)も、国内銀行全体で1月1.235%から6月1.452%へと緩やかに上昇している。新規の伸びに比べるとストックの上昇は穏やかで、既存契約の借換・見直しが進むにつれて平均残高金利も後追いで上がっていく構図が読み取れる。
業態別の違い
信用金庫の水準は、新規・ストックのいずれも他の業態より高い。2026年6月の新規総合は2.180%、ストック総合は1.814%で、都市銀行・地方銀行・第二地方銀行を上回っている。当座貸越のストック金利でみても、信用金庫は6月時点で2.715%と、国内銀行全体の1.992%より高い水準にある。
都市銀行と地方銀行・第二地方銀行を比べると、新規の長期貸出では都市銀行の振れが大きい(2026年5月2.546%、6月2.165%)一方、地方銀行・第二地方銀行は6月時点でそれぞれ1.797%、1.863%と、都市銀行より低めで推移している月が多い。
借入・返済計画への読み方
本資料は特定の金融機関の交渉結果ではなく、業態全体の平均値である。個別の融資条件はこの水準からの上乗せ・引き下げの両方があり得る点は前提として押さえておく必要がある。
その上で、取引金融機関の業態(都市銀行・地方銀行・第二地方銀行・信用金庫のいずれか)に応じた平均水準を参考値として持っておくと、提示された金利が相場からどの程度乖離しているかを確認する材料になる。特に長期貸出(新規)は月による振れが大きいため、単月の数値だけでなく直近数カ月の推移を合わせて確認することが実務上有用と考えられる。
実務上のポイント
次回の借入・借換交渉の前に、自社が取引する金融機関の業態(都市銀行・地方銀行・第二地方銀行・信用金庫)に対応する新規貸出(総合)の平均値を確認し、提示条件との差分をメモしておくとよい。日銀の同統計は毎月末頃に更新されるため、四半期ごとなど定期的に推移を追うことで、金利交渉のタイミング判断に活用できる。
出典
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の融資判断・税務判断・投資判断を示すものではありません。制度内容は改正される場合があります。実行にあたっては必ず一次情報をご確認のうえ、金融機関または専門家にご相談ください。