借入と金融機関

2026年9月の貸出・預金動向、銀行融資の勢いに鈍化の兆し

日本銀行が2026年10月13日に公表した「貸出・預金動向(速報)」の2026年9月分によると、銀行全体の貸出残高は前年比で高い伸びを維持しつつも、業態によって動きにばらつきが出ている。融資交渉のタイミングを考える材料として、数値の中身を確認する。

ドリサポ編集部読了 約3分

貸出全体は高水準も、伸び率はやや鈍化

日本銀行「貸出・預金動向(2026年9月、速報)」によると、銀行・信金計の貸出平均残高(総貸出平残)は前年比5.3%増(9月平残681兆9,747億円)となった。2026年4〜6月期の5.6%、7〜9月期の5.3%と比べると、伸び率はわずかながら縮小している。

銀行計(都銀等+地銀・地銀II)でみても、4〜6月期6.1%から7〜9月期5.8%、9月単月では5.7%へと鈍化の方向にある。貸出全体の勢いは依然として高水準だが、ピークを過ぎつつある局面とも読める。

業態別の温度差——都銀は底堅く、地銀IIと外銀に変化

都銀等(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行など)の貸出は9月平残280兆9,598億円、前年比7.7%増と、他業態に比べて高い伸びを維持している。4〜6月期8.4%からの低下はあるが、依然として大企業向けを中心とした資金需要の強さがうかがえる。

一方、地銀・地銀II計は9月平残320兆7,868億円、前年比4.1%増。内訳をみると、地銀(地銀I)は4.5%増と比較的安定しているのに対し、地銀IIは4〜6月期2.6%から9月単月で1.9%まで低下しており、地域によって貸出姿勢の差が出ている可能性がある。

信金の貸出は9月平残80兆2,281億円、前年比2.0%増と、他業態より低い伸びながら、4〜6月期の1.7%からは上昇基調にある。

外国銀行(円貸出)は9月平残7兆6,280億円、前年比14.5%増と依然プラスだが、4〜6月期27.2%、8月25.6%から9月に大きく鈍化しており、外貨建て・大口案件の資金需要に変調が出ている可能性がある。

預金動向——地銀IIのマイナスが続く

預金(実質預金+CD)でみると、3業態・信金計は9月平残1,071兆5,876億円、前年比1.6%増と、貸出の伸びに比べて緩やかな水準で推移している。

都銀の預金は9月平残488兆1,151億円、前年比2.7%増と堅調。これに対し地銀・地銀II計は9月平残421兆2,552億円、前年比0.9%増にとどまり、特に地銀IIは4〜6月期0.1%からマイナスに転じ、9月は▲0.6%となっている。信金も0.1%増と低い伸びにとどまる。

貸出が伸びる一方で地域金融機関の預金が伸び悩む、あるいは減少しているという構図は、調達と運用のバランスという観点で注視すべき論点である。

実務上のポイント

地銀IIの預金が前年割れの状態にあることは、地域金融機関の資金調達コストや融資姿勢に影響しうる要素として、取引行との金利交渉の際に頭に入れておく価値がある。また都銀の貸出が高水準を維持している一方で、外銀の貸出伸び率が急低下している点は、大口・外貨建て資金の調達環境に変化が出始めている可能性を示す。次回決算や借換えの相談をする際は、取引金融機関の業態(都銀・地銀・地銀II・信金)によって資金供給の勢いに差があることを踏まえ、複数行との関係を維持しておくことが実務上の選択肢になる。

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の融資判断・税務判断・投資判断を示すものではありません。制度内容は改正される場合があります。実行にあたっては必ず一次情報をご確認のうえ、金融機関または専門家にご相談ください。

ドリサポ編集部白書・統計などの公開資料をもとに編集部が構成し、AIを用いて執筆しています。 編集方針